2024/09/28 20:53

急に秋めいてきて季節がグッと進んだ感。

この移り変わりの物悲しい感じがとても好き。

でもこうして陽が短くなって
寒い季節に向かっていく途中を
季節の味わいや感傷として楽しむには
日々そのものに気持ちの余裕がないとむつかしい。

学生時代はとにかく寒くて
夜の長い季節が大好きで
「ああー!物悲しいっ♪」と
この季節を満喫できていたのに
ある時から10年くらい
この季節を辛く苦しく過ごしていた。

その暗さをただ耐え忍ぶ
というような
そんな質(たち)でもそもそもないので
なんとか抜け出せないものかと
あれこれ試行錯誤していたものの所詮
力を溜めない小さなジャンプなどたかが知れていて
なんとかどうにか
騙し騙し過ごしていたというだけだった。

暗い季節の昏い日々には光などみえない。

それでもなにか諦められないものが
あることだけはわかる。
感じていたのはそれだけだった。


…ん…?…これか…?
と感じられたのは
図らずも「あーもう無理。全部無理。」
と放り投げて
自分の無力に打ちのめされた時だった。
全部をあきらめ
自分の「この程度」を受け入れたときに
すぐ足元に
何もない掌に
「茫。」
と淡いものがあることに気づいた。
それが兆しだった。

ここ数年でようやくこの季節の物悲しさを
物悲しいまま楽しめていると感じる。
昔のように
活気のある事の対義としての物悲しさではなく
物悲しさを物悲しさのまま
その味わいを静かに感じる。

自分のいる暗い場所で
自分が当てる光だからこそ見えるものがある。

ブラックライトを当てて初めて
そこにオイルがあるとわかる
オイル・イン・クォーツ。
このほの暗い青さを慈しんでもらえたら。